第11回統一地方選挙(だい11かいとういつちほうせんきょ)は、日本における地方自治体の首長(都道府県知事・指定市長・市区町村長)と地方議会(道府県議会・指定市議会・市区町村議会)の議員を全国一斉に改選するために、1987年4月12日と4月26日の2回に分けて投票が行われた地方選挙である。
概要
1947年の第1回統一地方選挙からちょうど40年目にあたる選挙である。この時の選挙では当時、国政の最大争点となっていた大型売上税導入の是非が、最大の争点となった。また首長選挙では、自民党や社会党など共産党以外の各政党が推薦・支援する相乗り候補が増えたことで、全体として選挙の無風化傾向が進んだ。しかし、道府県議選では自民党が敗北し、社会党や共産党が躍進するなど、売上税導入、円高不況や減反政策など政府・自民党に対する強い反発が示される結果となった。
日程
- 前半選挙
- 3月23日:都道府県知事選挙、告示
- 3月28日:政令指定都市の市長選挙、告示
- 4月3日:道府県議選挙と政令指定都市の市議会選挙、告示
- 4月12日:投票日(都道府県知事選挙、政令指定市長選挙、道府県議選挙、指定市議会選挙)
- 後半選挙
- 4月19日:一般市長・市議選、東京都特別区長及び区議選、告示
- 4月21日:町村長および町村議会選挙、告示
- 4月26日:投票日(一般市長・市議選、東京都特別区長及び区議選、町村長および町村議会選挙)
選挙データ
実施箇所
- 都道府県知事選挙:13都道府県
- 北海道、岩手県、秋田県、茨城県、東京都
- 神奈川県、福井県、大阪府、鳥取県、島根県
- 福岡県、佐賀県、大分県
- 政令指定都市の市長選挙:2市
- 札幌市・川崎市
- 道府県議会議員選挙:茨城県と東京都、沖縄県を除いた44道府県議会2,670議席。東京都の4選挙区(新宿、墨田区、世田谷区、杉並区、西多摩)で行われた都議補選(5名)を除く。
- ○北海道、青森県、○岩手県、宮城県、○秋田県
- 山形県、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県
- 千葉県、○神奈川県、新潟県、富山県、石川県
- ○福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県
- 愛知県、三重県、滋賀県、京都府、○大阪府
- 兵庫県、奈良県、和歌山県、○鳥取県、○島根県
- 岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県
- 愛媛県、高知県、○福岡県、○佐賀県、長崎県
- 熊本県、○大分県、宮崎県、鹿児島県
- 政令指定都市議会議員選挙:北九州市を除いた9市665議席
- ○札幌市、横浜市、○川崎市、名古屋市、京都市、
- 大阪市、神戸市、広島市、福岡市
- 東京都特別区長選挙:16区
- 区議会議員選挙:23区
- 一般市長選挙:131市
- 一般市議会議員選挙:387市11,613議席
- 町村長選挙:671町村
- 町村議会議員選挙:1,280町村21,069議席
- 注:○がついている地域は、首長選挙と議会選挙が同時に実施された地域。
候補者
首長選挙では、自民党や社会党など共産党以外の各政党が推薦・支援する相乗り候補が増加した。そして東京都知事選挙では、社会党と共産党による社共共闘のパターンが崩壊し、両党とも独自候補を擁立した。
- 出典:朝日新聞1987年3月24日付2面の表「13知事選 候補者一覧」、『「朝日新聞」縮刷版』(1987年3月号)932頁。候補者名横のカッコ内の数字は年齢。
- 出典:朝日新聞1987年3月28日付夕刊1面「札幌川崎 市長選がスタート」内の「立候補届け出」。前掲書1165頁
- 44道府県議選立候補者:4,118名(うち183名が無投票当選)
- 出典:朝日新聞1987年4月4日付2面「44道府県議選別候補者数」、『「朝日新聞」縮刷版』(1987年4月号)136頁。
- 政令指定都市議会選挙立候補者数:889名(うち33名が無投票当選)
- 出典:朝日新聞1987年4月4日付2面「指定市議選候補者数」、前掲書136頁。
- 東京都特別区長選挙立候補者数:35名
- 保守系:2名
- 保守・中道系:7名
- 革新・中道系:1名
- 革新系:15名
- 保革相乗り:9名
- その他1名
- 出所:朝日新聞1987年4月20日付1面「東京区長選候補者数」、前掲書791頁。
- 区議選立候補者数:
- 一般市長選挙立候補者数:264名(34市では無投票当選)
- 保守系:113名(うち自民公認3名)
- 保守・中道系:56名
- 革新・中道系:4名
- 革新系:42名(うち共産公認17名)
- 保革相乗り:37名
- その他:12名
- 出典:朝日新聞1987年4月20日付1面「市長選候補者数」、前掲書791頁
- 一般市議選候補者数:13,191名(6市159議席が無投票当選)
- 出典:朝日新聞1987年4月20日付2面「市議候補者数」、前掲書792頁。
- 町村長選挙候補者数:1,039名(うち348町村で無投票当選)
- 町村議会議員選挙候補者数:23,384名(170町村2,649名が無投票当選)
選挙結果
前半選挙
投票日:4月12日
都道府県知事選挙
都道府県知事選挙では、新人同士の争いとなった福井県と島根県を除き、いずれも現職が勝利した。
- 13都道府県平均投票率:59.78%(前回63.21%)
- 出典:朝日新聞1987年4月14日付2面「知事選確定得票」、『「朝日新聞」縮刷版』(1987年4月号)546頁。当選者名横の丸数字は本選挙を含めた当選回数。投票率は、自治研修協会地方自治研究資料センター編『地方自治年鑑 昭和63年版』(第一法規出版)の203頁「(3)知事選挙」の表より。
政令指定市長選挙
札幌と川崎市の両市とも、現職候補が5選を果たす結果となった。 投票率
- 札幌市:71.37%
- 川崎市:60.63%
- 出典:朝日新聞1987年4月14日付2面「指定市長選確定得票」、前掲書546頁。当選者名横の丸数字は本選挙を含めた当選回数
道府県議会選挙
自民党は、前年の衆参同日選挙で大勝した余勢をかって前回選挙より候補者を増やして選挙に臨んだが、売上税導入に対する国民の反発などから支持を減らし、前回より100議席以上減らす結果となり、敗北した。これに対して社会党と共産党は議席を大幅に増やして躍進した。民主党政権の首相を務めた野田佳彦は千葉県議選で初当選した。
- 44道府県議選平均投票率:66.66%(前回68.47%)
- 出典:朝日新聞1987年4月13日付夕刊1面「44道府県議当選者数」、『「朝日新聞」縮刷版』(1987年4月号)533頁。なお都知事選と同時に実施された東京都議補選で当選した5名はこの中に含まれない。
- 出典:朝日新聞1987年4月14日付7面「都道府県議会の新勢力分野」、前掲書551頁。
- 出典:朝日新聞1987年4月14日付6面「44道府県議選の党派別得票数と得票率」、前掲書550頁。なお東京都議会については都知事選と同時に5選挙区で行われた都議補選の結果(自民4、社会1)を反映した議席数になっている。
政令指定市議会選挙
道府県議選と同様に政令市議会選挙でも、自民党が敗北、社会党や共産党そして公明党など野党が前回より議席を伸ばす結果となった。
横浜市議選ではのちに第99代首相となる菅義偉が初当選した。
- 出典:朝日新聞1987年4月14日付2面「指定市議選当選者数」、『「朝日新聞」縮刷版』(1987年4月号)546頁。
後半選挙
投票日:4月26日
特別区長および一般市長選挙
- 出典:朝日新聞1987年4月27日付夕刊1面「東京区長選当選者数」、「市長の新分野」、『「朝日新聞」縮刷版』(1987年4月号)1109頁。なお縦項目の「保守」や「革新」などの分類は、当選者の政党からの推薦や支持関係を元にしたものである。
区議・一般市議選挙
- 出典:朝日新聞1987年4月28日付1面「東京区議当選者数」、「市議当選者数」、『「朝日新聞」縮刷版』(1987年4月号)1121頁。なお諸派の当選者にはサラリーマン新党1名も含まれる。
町村長および町村議会選挙
- 出典:朝日新聞1987年4月27日付夕刊3面「町村長当選者数」、『「朝日新聞」縮刷版』(1987年4月号)1111頁。無投票当選者348名を含んだ数字。
- 出典:朝日新聞1987年4月28日付1面「町村議当選者数」、前掲書1121頁。無投票当選2,649名を含んだ数字である。
参考文献
- 『「朝日新聞」縮刷版』(1987年3~4月号)
- 自治研修協会地方自治研究資料センター編『地方自治年鑑 昭和63年版』(第一法規出版)




